「口腔ケアによる健康寿命延伸事業」

11月も終わりに近づき、いよいよ今年も残すところあと1か月ですね。
本当に年々、時の流れが早くなってきているような気がして、少し寂しく感じられます(^^;;
ジャネーの法則で考えるとそれも仕方ないことではありますが、
まぁ、それだけ日々の出来事が充実しているということにして(笑)

さて、タイトルにもありますが、当院では今月より神奈川県と歯科医師会が連携して行っている「口腔ケアによる健康寿命延伸事業」に協力しています。
65歳以上の方を対象に、83項目の質問票に加えて、口腔内の検査、ゆび輪っかテストや咀嚼力判定のガムを用いた検査を行い、その結果を元にご自身の口腔内状況や健康状態に対して、少しでも関心を持っていただき、より健康寿命を延ばしていこうという取り組みです。

すでに多くの方が「8020運動」をご存知かと思います。
「80歳になっても20本以上、自分の歯を保とう」という厚生労働省歯科医師会が推進している運動です。それに加えて、昨年度から広がりを見せているのが「オーラルフレイル」の予防という新たな取り組みです。
詳細については以前、吉武先生が当ブログにて記事を上げてくださっているので割愛しますが、足腰の筋力低下だけが全身の衰えに関係するのではなく、あまり関係のないように思われがちな口腔機能の低下こそが運動能力の低下、そして全身の衰えにつながるため、まずはご自身の些細な口腔機能の低下への“気付き”を促していこうという運動です。

先日、わたしも往診先のリハビリケア湘南かまくらで、衛生士の高橋さんと一緒に問診・検査を行ってきました。


思っていたよりも質問項目や検査項目が多く、少し手こずってしまいましたが、患者様とも和気藹々と楽しくお話しながら進めていくことができ、良い経験になりました。終わったあとに検診結果をお話したところ、新たな“気付き”があったようで、そのお手伝いができたことを嬉しく思いました。

虫歯や歯周病により歯を失うと、滑舌の低下や噛む力の低下を引き起こします。そこから舌の動きの低下や食欲不振、食事の偏りにつながり、低栄養、筋力の低下へ、さらに運動・栄養障害へと続き、結果的に虚弱、要介護へ。
厚生労働省の調査結果によると、65歳以上の約6人に1人が低栄養傾向、85歳を超えると約3人に1人が低栄養の傾向にあるそうです。
しっかり噛めて、しっかり飲み込める、元気な口腔機能を保つためには「口周りの筋力」「嚙む力」「飲み込む力」「口の清潔度」の4つがそろっていることがとても重要です。
統計的に歯の本数が多いほど生年数が長く、歯を失ったとしても義歯によって機能回復をするほど認知症発症が少なく、義歯の使用がないと転倒リスクが高まるという結果も出ているようです。

毎日歯磨きをしているから大丈夫、痛みも虫歯もないから大丈夫、という考えは要注意です。
定期的に歯科検診を受け、しっかりとご自身の口腔内と向き合い、必要に応じて治療や歯磨き指導、予防処置を受けることが口腔内の健康状態を保つためには大切です。それによって口腔内・身体の虚弱化を予防し、健康長寿の実現、老化防止を目指しましょう!

迷ったら一度検診を受けてみましょう(*^^*)
担当の衛生士が患者様それぞれの口腔内に合わせたアドバイスをくれるはずです♪

また、往診先だけではなく、院内でも同じ事業への取り組みを行っています。検査対象に当てはまる患者様にはこちらからお声を掛けさせていただくかと思います。少しお時間とお手間を取らせてしまいますが、是非ご協力いただけると助かります(*^^*)ご協力いただいた方には、細やかではありますが心ばかりのプレゼントもご用意しておりますので、ご協力お願いいたします!

受付・助手 菅野