祖父母との再会

こんにちは。副院長の輿です。

季節外れの暑さが続く中、ようやく気温も落ち着いて少しずつ秋へと移ろいできましたね。

 

私はこの週末を利用して、緊急事態宣言も解除されたこともあり、長野県に住む祖父母の家に久々の訪問をしました。90歳前後の祖父母は要介護認定と要支援認定を受けており、腰は曲がっているものの、歩くことに問題なく自立した生活を送っていることに一安心しました。

長野県は水と空気が澄んでいて、食べるものがとても美味しいです。祖父母の家は蕎麦切り発祥の地と呼ばれ、畑では蕎麦の実の栽培を行っています。

近くの山では松茸も採れるようで、夕飯に松茸ご飯を頂くことができました。感謝!

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このような環境のお陰か、祖父母の食欲旺盛なことには大変嬉しく思いました。近くの歯科大で作製してもらった義歯の調子も良いらしく、口から満足に食事摂取できていることに孫としてだけでなく、歯科医師としても嬉しくなり、歯科の仕事内容の大切さを認識しました。

やはり、いくつになっても口から美味しく食べることって大切。食欲は最期の時を迎えるまで残る大切な欲求。美味しく食べることは人間にとっての尊厳であることを祖父母を見ていて実感しました。

 

さて、当院ではオーラルフレイルについてスタッフ一同共通の認識を持って外来診療と訪問診療に取り組んでいます。先日のスタッフミーティングでも取り上げた項目です。医院ブログにも記載されているので、参照して下さいね。

口から美味しく食べるためには、歯の存在だけでなく、舌や頬、口唇、喉頭といった口周りの筋力が非常に重要な役割を果たします。加齢とともに筋力の機能低下が起こるのは自然の摂理です。しかし、我々歯科医療従事者がこれらの変化に早期に気づき、然るべき評価をして、対策を施すことで機能の回復と維持に貢献します。これが、美味しく食べられ続けるお口の構築へと繋がります。

また、高齢になると喋る話す機会が減って口周りの筋肉を使うことが減る傾向にあります。祖父母も普段はなかなか人と会話をする機会が少ないようです。

そこで、当院の赤松歯科衛生士が勧めてくれた落語の音読教本を祖父母とともに音読してみました。

大きな声で音読することは、口周りの筋肉をよく動かすので、誤嚥性肺炎や嚥下障害、認知機能、口腔機能低下を防ぐ効果があると言われています。落語は高齢者に親しみやすい内容のようなのか、楽しく音読することができました。

この本、落語の世界を知ることもできる、老若男女にお勧めの本だと思います。私も少し興味が湧きました。

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10月の長野にて、高齢の祖父母のもとで、秋の味覚を堪能し、いくつになっても口から美味しく食べれることの大切さを感じ、日本古来の芸能に触れた秋の週末でした。

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