テンプル・グランディルさんをご存じでしょうか?

 アメリカを代表する動物学者でコロラド州立大学の教授です。日本では、あまり知られていないですね。私も先日 テレビで彼女のスピーチを聞き、詳しく知りましたので紹介したいと思います。
 テンプル・グランディンさんは、4才まで言葉を話すことができず、抱っこ等の人との接触を極端に嫌がる子供で自閉症と診断されました。
 しかし彼女には特殊な能力を持ち合わせていたのです。
 第一に視覚思考であること。例えば「教会」というと三角屋根に十字架となんとなくのイメージが浮かぶと思いますが、彼女の場合には、いくつもの教会が写真のように鮮明に頭に描かれるのです。回転させたり、天候を変えたり自由自在に。 第二に動物の気持ちが手にとるように分かるのです。
 この2つの能力を使って、畜産施設を作ったところ、牛のパニックによるケガや事故死が激減し、いまや 北米の約50%が彼女の設計になっているそうです。
 アインシュタインモーツアルトも今の時代ならば自閉症と診断されるであろうと彼女は言っています。
 天才と呼ばれている人の中には、世の中に適応できず、色々な壁にぶちあたっていたに違いないが、周りの適切なサポートで優れた能力を引きだし、世の中を豊かにする発明や芸術が生まれるのかもしれない。物事を違った視点・観点から見ることができる。そこに大きな可能性があると思いました。
                       歯科医師 篠原