変異と変化と進化と。

歯科医師の佐藤です。

 

新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみ申し上げます。
また、罹患された方々やそのご家族、医療関係者の皆様、感染拡大により日常生活に影響を受けられている全ての皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 

ニュースで変異種という言葉を耳にすることもあるかと思います。

昔、わたしが大学院で実験をしていた頃のことを思い出すと、実はウイルスは日々わずかに変化をしています。

必ずしも毒性の強いものだけが変異ではなく、環境に適応し、多くの生物と平和に共存が可能な変異種も時に現れます。

ヒトに害のない程度に弱毒化させた変異種、またはその一部を利用したものが、今われわれが接種しようとしているワクチンです。

 

ワクチンの開発には膨大な時間と労力が必要と考えられていましたが、今回のワクチン開発にかかった期間はわずか1年でした。われわれヒトもまた変化、進化しているのだということを思い知ります。

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最近では暖かい日も増え、春が近いことを感じます。春になると桜が咲きます。 

桜の中でもソメイヨシノという品種は人気がありますが、実は交配ができず、接ぎ木や挿し木によってしか広まりません。全ての樹が全く同じ遺伝子をもっていて、一卵性双生児のようなものです。

毎年変わることなくソメイヨシノは春に満開の花を咲かせますが、これまでも、そしてこれからも、変化も進化もしません。

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変わらないことによる美しさも大切にしていきたいものですが、自分自身が変わっていく強さもまた大切です。

「この世に生き残る者は、力の強い者でも頭の良い者でもない。変化に対応できる者だ。」と進化論を唱えたダーウィンはいいました。

 

春は多くの人にとって環境が大きく変わる季節です。

大変なこともあるかとは思いますが、変化を恐れない勇気をもっていたいものです。